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2017年10月1日日曜日

映画の感想 映画『エイリアン:コヴェナント』を鑑賞する前に

■■■映画『エイリアン:コヴェナント』を鑑賞する前に■■■




日本では2017年の9月15日から公開となっている映画『エイリアン:コヴェナント』ですが、1979年に製作された『エイリアン』の前日談として語られる新シリーズの第2作目です。

監督であるリドリー・スコット氏は、エイリアンの1作目を手掛けた段階で作品から離れている状態でした

2作目である『エイリアン2』がジェームズ・キャメロン監督の手腕によって伝説的な映画へと成長を遂げたため、リドリー・スコット氏は「エイリアンシリーズの監督の一人」くらいにしか思われてなかったかもしれません。

その後3作目以降は質の低い作品が続いてしまったため、エイリアンシリーズは人気も下降線となり、肉食系宇宙人と戦ったりとおかしな扱われ方をするようになりました。

そんなエイリアンですが、リドリー・スコット氏が重い腰を上げて前作『プロメテウス』を製作し、再び注目を集めるようになります。

しかしながら、前作の『プロメテウス』は内容が非常に難解だったため、一度鑑賞しただけでは「なんだこりゃ?」と思う方が続出。

リドリー・スコット氏がこのシリーズに思い入れがあることは理解できるのですが、少し遠回しの表現が多いことから、一般には受け入れられ難い設定により不評のまま上映を終えました。

そして『プロメテウス』の謎がすべて明かされるだろうと期待された『エイリアン:コヴェナント』ですが……まだ続編を用意しているようなので、この作品も物語の中間の位置にあるようです。


■■■映画『エイリアン』の感想■■■





<映画『エイリアン』の概要>


地球への帰途についていた宇宙貨物船ノストロモ号は、謎の救難信号を受けて未知の惑星に降り立つ。
そこには異星人の船があり、船内には無数の奇怪な卵が存在していた。卵から飛び出した奇妙な生物が顔に貼り付いた航宙士ケインを回収し、ノストロモ号は再び航海につくが、彼の体内にはすでに異星生物の幼体が産みつけられていたのだ。
ケインの腹を突き破り姿を現したエイリアンは脱皮を繰り返し巨大に成長、一人また一人と乗組員を血祭りにあげていく……。

私は前作である『エイリアン』も『プロメテウス』も鑑賞済みですが、面白さはやはり『エイリアン』が断然上だと思います。

宇宙空間という閉鎖された舞台を効果的に活用し、恐ろしいエイリアンの魔の手から逃れなければならない設定は、ホラー映画としても一級品です。

そしてリドリー・スコット氏が手掛けた映像美と空気感が何より素晴らしい。

『エイリアン2』では戦闘に重きを置いてアクション寄りの映画になりましたが、ベースとなった1作目があったからこそのヒットだと思います。

<これから『エイリアン』を鑑賞する方に向けて>

『エイリアン』は40年ほど前の作品となるため、映画の中ではすでに古典の領域です。「PCの画面表示がダサい」とかツッコミ入れるのはやめましょうね。

今の時代に鑑賞すると、怖がらせ方にも妙な「間」があって歴史を感じさせます。

細切れ編集で客を飽きさせないようにしている現代の映画と比べると、ホラー映画なのに不思議と落ち着いた静かな印象を受けるはず。宇宙船は外界から遮断された空間なので、これくらい静かなほうがリアリティがあって良いと思います。

そして最大の障害となる「エイリアン」のデザインは素晴らしいの一言に尽きます。

過去に様々なモンスター(神話に限らず空想の物語でも)がデザインされては消えて行きましたが、このエイリアンに関しては100年後でも見るに耐えうる造形と評価しても良いでしょう。

デザイナーであるH・R・ギーガー氏は「クトゥルフ神話」に傾倒していることで有名ですが、見事にあの怪奇的な世界を表現できる人だと思います。

……しかしながら、敵となるエイリアンは冷静に考えると何故これほど繁殖方法が面倒なのでしょうか? 卵の状態からそのまま成虫(成人?)になれば良いのに、なぜか宿主を通さないと完全体になれません。

映画『プロメテウス』ではエイリアンは生物兵器だと説明しているため、環境によって成体の形を変える目的があるかもしれませんが、それにしても繁殖効率が悪いと思います。

フェイスハガー(幼体)の卵ってそれほど寿命が長いんですかね? あのまま寄生する宿主を何百年も待ち続けるとは恐れ入ります


■■■続編は歓迎だけどおかしな商法はやめてね■■■




映画『エイリアン』はオリジナル性が非常に高く優れた作品だと思います。

ここまでこだわりの強い作品に出会えるのは稀かもしれません……が、そのこだわりが間違った方向に進んでいる感じで困ります。

リドリー・スコット氏が監督した映画『ブレードランナー』では改編をやり過ぎてどれが本作品か分からないし、映画『プロメテウス』に至っては「製品版ですべての謎が解ける!」と宣伝しておいて、限定版のDVDやブルーレイを買わせようとするので、そのやり口に疑問を感じてしまいます。

監督はいつまでこの迷走を続けるのでしょうか?

上映後に「ここを直しておきたかった」と思う気持ちは分かりますが、しつこいとただの嫌がらせになります。(ちなみに、私が鑑賞した映画『エイリアン』もディレクターズ・カット版です)

『ブレードランナー』のように、公開当初は不評だったとしてもジワリジワリと人気を集めて伝説的な映画へと成長したケースはいくらでもあるため、リドリー・スコット氏が監督する新しいエイリアンシリーズも後にどう評価が変わるか予想できません。

……予想できませんが、人気が出た後で「新しく編集しちゃいました」商法はあまり嬉しいものではないので、最初の作品でビシッと言いたいことを詰め込んで欲しいと思います。
 
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