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2018年2月24日土曜日

2017年に多くの賞を獲得したゲームは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』

■最も多くのアワードを獲得した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』



☆『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下ゼルダの伝説 BotW)』




任天堂より2017年3月3日に発売されたWii UおよびNintendo Switch用アクションアドベンチャーゲーム。本作の特徴としてオープンワールドを採用しており、プロデューサーの青沼英二は2016年6月のE3にて「広大な世界において、どこに行って何をするのも自由なオープンワールドで遊べる、ゼルダ史上類を見ない新しいゲームです」と紹介している。日本語のタイトルロゴは日本語表記が大きくなり初代『ゼルダの伝説』に近いものになった。また、キャラクターデザインは一新され、一部の重要イベントではセリフを喋るようになっている(通常のセリフは従来通り)。※Wikipediaより引用

2017年において『ゼルダの伝説 BotW』は、その年のベストゲームに贈られるゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞を含め、4つの賞の栄冠に輝きました。

ゲーム・オブ・ザ・イヤーでは、他にもオープンワールド系アクションRPGである『ホライゾン ゼロ ドーン』や、マルチプレイで一大ブームを起こした『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(略称:PUBG)』などがノミネートされていましたが、これらの強豪を抑えての受賞です。

本体のSwitchが国内で品切れ状態ということもあり、2017年に購入できなかった人もいるのでは? もしプレイしていない方は、これを機会にゼルダの世界に飛び込んでみると良いかもしれませんね。

オープンワールド系のRPGを『ゼルダの伝説 BotW』で初めて遊んだという意見も聞かれます。海外ではベセスダ・ソフトワークスから発売された『The Elder Scrolls V: Skyrim』などで、オープンワールドというジャンルがすでに主流となっていましたが、国内では開発費の関係により、ストーリーを追うことが中心となる「一本道」のRPGが根強い傾向にありました。

国内のソフトで『ゼルダの伝説 BotW』が、決してオープンワールドとして“初”という訳ではありませんが、あらゆる賞を総なめにしたという結果から、今後の国内コンシューマー向けゲームの方向性を決定付けたといっても過言ではないでしょう。

そして何より、任天堂による丁寧な仕事を感じ取ることができる作品です。開発中にゲームとして遊べる段階になれば、関係者が一つの部屋に集まってプレイし、問題点だけでなく「いかに面白い作品を創るか」をとことん話し合ったそうです。

「そんなこと当たり前だろ」と思うかもしれませんが、基本的に現代の開発室というのは、ゲームの規模が大きいため“役割分担制”が主流です。プログラマーならプログラマー、デザイナーならデザイナーの部屋が個別に与えられ、それぞれが自分の仕事だけを行います。

任天堂も以前はそんな開発体制だったそうです。


■『ゼルダの伝説 BotW』に見る、日本のゲーム開発環境の未来






「とにかく広いフィールドを、ロードなしでシームレスに冒険したい、そして遠くに見える場所にもたどり着けるようにしたい」

「決められた道筋で解く『ゼルダ』ではないものを作りたい、という考えがあったからこそ、“広い世界”が必要でした」

「たとえば、武器や食べ物、動物関係などは、綿密に関係性があるわけですが、そこをとことんまで、本当に時間をかけて、各セクションの垣根を越えて、検討していました」

「パーテーションでギチギチに仕切られた環境ではなく、ドンと大きいテーブルがあって、それを背中越しにみんなが聞いているんです。すると“それって……”という感じで、ほかのスタッフが加わったりするんですよね。いままで見たことがない、おもしろい進めかたでした」

こうした開かれた開発環境というのは、小さい会社なら可能ですが、大手になるほど難しくなるのが現状です。特にオープンワールド系は、100人以上の開発体制が海外では当たり前なので、今回の任天堂の取り組みは他社も大いに参考になると思います。

「日本のビデオゲーム市場は終わった」という意見が良く聞かれますが、この『ゼルダの伝説 BotW』や、2016年に売れに売れた『ダークソウル3』などもありますので、一概に終わったとは断言できません

また最近では、マップの作成をAIに任せている企業まであります。これにより人件費を抑えることができるため、少ない開発費でゲームを作ることが可能になります。

少子化により技術者が減少する傾向にある日本にとって、今後はAI主体によるゲーム開発の時代がやって来るかもしれません。

そういう意味では、日本でもオープンワールド系RPGの開発に挑戦できるチャンスがあります。そのキッカケとなり始まりとなるのが、『ゼルダの伝説 BotW』なのかもしれません。
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