■推理小説はつまらない?
ちょっと違う角度から推理小説というジャンルを考察(上に掲載した記事の内容に対してコメントしています)。
…まず第一に「名前を覚えるのが面倒」というのは納得できますね。
推理小説というジャンルは“合理的”に事件を解決した場合、犯人を含め登場人物を無機質に扱ってしまうため、感情移入しにくいというデメリットがあります。
こうした傾向により、名前を覚える気が失せてしまうのです。
謎解きというのはパズルのピースのようなもの。登場人物の会話も、物語の流れの中では事件を解決するための“証拠”でしかありません。
そのため、印象に残るような会話はすべて事件解決への手掛かりになる恐れがあり、結果的に感情移入がしにくくなってしまうのです。
もし、推理小説で主人公の探偵と同じくらい存在感のある人物(犯人以外で)が、いくつ思い浮かぶかやってみると良いでしょう…あまり多くはないと思いますよ。
また推理小説というジャンルは、作者の筆力によって好き嫌いが分かれやすい傾向があるため、最初の20ページと最後の20ページだけ読んで終わりというのも、本人の自由だと思います😅
「推理小説好きだけど推理したことは一度もない」というコメントは、なるほどなと思わせる指摘かもしれませんね。
坂口安吾さんの『不連続殺人事件』や島田荘司さんの『占星術殺人事件』のように、読者に考える時間を与えるような構成になっていると、推理した実感を得られやすいです。
でも結局は、主人公である探偵が最後にすべて謎を解いてしまうので、読者が置き去りにされてしまうような感覚になるのは仕方ないかもしれません。
…後ですね、アガサ・クリスティを読んで面白くないから、他の推理小説を読むのを止めるというのはちょっと勿体ない気がします。
クリスティは確かに推理小説の第一人者ですが、彼女の作品が「推理小説のすべて」という訳ではありません。
私は数ある探偵の中で「金田一耕助」が大好きです。だから横溝作品が全般的に好きなのですが、なぜこのキャラクターがお気に入りかと言いますと、人当たりがよくて自分が頭脳明晰なことをひけらかしたりしないからです。
色々な推理小説を読みましたが、金田一さんみたいな性格の探偵って何故か少ない(笑)。
クリスティの作品で有名な探偵のポワロさんでも、かなり気難しい性格なので(何より執筆している本人がこのキャラクターを嫌ってました)、作品による好き嫌いはどうしても出てしまうと思います。
なので色々な作品を読んで、自分に合う作家さんなりキャラクターを見つけてくださいね。
追記
※以下の文章は毒性の強いコメントなのでご注意下さい。
私はエリート気質の主人公を毛嫌いする習性があります。
私が「頭の良さ」を全面に出す探偵をあまり好まない理由を述べると、大抵こうした主人公は「嫌味な性格の持ち主」というのがあるからです。
特に薀蓄や専門知識を過剰に持ち出しては「俺はすでに犯人が分かってるんだぜ。凄いだろ? 頭いいだろ?」と、ドヤ顔アピールするのは、読んでいて気持ちが萎えてしまいます(ようするに「衒学気質」というやつですね)。
「そりゃそうだろ、この小説を執筆する作家本人が犯人を分かってるんだぞ。おまえが頭いいのは、その作家さんが資料片手に書いてるからだよ」
…と、言ってみたかったりする。←バカ
これも好みの一つだと思うので、皆さんも気にせず色々な作品を読んでみることをオススメします。
何故なら、エリート気質を毛嫌いすればホー●ズ・シリーズを敵に回すことと同じですからね😅