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2020年1月5日日曜日

【読書感想】未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか


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未来を読む AIと格差は世界を滅ぼすか

AI(人工知能)による経済の地殻変動、グローバル資本主義で広がる格差、自壊を始めた民主主義…。激動を続ける世界は、この先どこへ向かうのか。本書は、国際ジャーナリスト・大野和基氏が、世界の「知の巨人」8人と対話した論考集である。登場するのは『銃・病原菌・鉄』のジャレド・ダイアモンド氏、『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』のリンダ・グラットン氏など。進化生物学、歴史学、経済学など各分野の泰斗の目に、来るべき世界はどう映るのか。知の頂上から未来を見通す、知的興奮に溢れた1冊。

『サピエンス全史』で有名なユヴァル・ノア・ハラリ氏のインタビューということで目に留まった一冊です。

面白かったのはジャレド・ダイアモンド氏の「日本の少子化はそれほど問題ではない」というコメントでした。

人口の多さはアドバンテージになると人は考えがちでも、輸入に頼る日本では人口減少になることが却ってメリットだというのです。

今後の国力を推し量る目安はクリエイティビティ(創造性)と経済生産性だとダイアモンド氏は言い、これらに注力すればしばらくは安泰とアドバイスしています。

また、これらを向上させることは戦争回避の手段になる可能性もあり、過去の戦争目的は物質的な支配でしたが、現代は知的財産の支配になるため戦争してもメリットは少ないとユヴァル・ノア・ハラリ氏は言います。

例えばアメリカの場合、彼らの財産はGAFAが所有するテクノロジー(知的財産)になるため、中国やロシアが支配したとしてもコントロールが難しく、現代の大国が世界大戦に踏み切れない理由はここにあるとハラリ氏はコメントしています。

つまり、人間の成長が「国家を守る盾」になると結論でき、今後ますます人材の育成が重要になると考えられます。

一方で、高齢の方には耳の痛い意見も多くあり、「どんな年齢になっても時代の変化に合わせて学習を続ける必要がある」と本は説いています。

AIが発展すれば多くの職業が失われることは事実です。

これらの危機感はどの世代にも当てはまり、今後30年を生き抜くには、時代に合わせる「柔軟な対応力」「学び続ける姿勢」を個人で磨く必要がありそうです。
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