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2020年10月3日土曜日

『親殺しタイムパラドクス』のジレンマ



タイムトラベルで自分の親を殺してしまったら?


SFの題材で「タイムトラベルで自分の親を殺したら自分の存在は消えてしまう」というものがありますが、実際にそうなるかオーストラリアの物理学者は数理物理学を使って検証してみたそうです。


結論として「過去を変えても自分は生まれてしまう」とのこと。


ソースとなった論文:

Reversible dynamics with closed time-like curves and freedom of choice


一般相対性理論は「時間的閉曲線(CTC)」の存在を予測しており、さまざまな出来事は同時に過去と未来に残っているため、理論的に観察者は時間を遡って過去の自己と相互作用することが可能だそうです。


つまり観察者は過去へ戻って干渉することできるので、「親殺し」の実現は不可能ではないということになり、昔から真面目に議論されているテーマなのです。


タイムパラドックスを回避する方法


論文では「ビリヤードボール・モデル」を利用して、因果関係をぶつかり合うビリヤードの球に、円形のビリヤード台を時間的閉曲線に例えて検証されましたが、計算上はある程度の干渉(タイムトラベルの場合は親殺し)を加えても球のぶつかり合いにより、元の位置や速度に戻ってしまうのだそうです。


この理論からすれば、あなたが「親を殺して自分の存在を消そう」と思っても、その過程で何かしらの邪魔が入るということになります。


その「邪魔」という作用がどのようなものになるかは分かりませんが、もしタイムトラベルが可能だとしたら遠い未来に時空警察が存在しているかもしれませんね。


タイムトラベルをするだけで興奮して親を殺すどころではないと思いますが…いくら科学的な検証とはいえ、何事もやってみないと気が済まない人間を止めるのは正しい選択だと思います(←これが「邪魔」な要因の一つでもありますが)。

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