スマホの日本語入力は『フリック入力』が基本


スマホなどの日本語入力で今や主流になっているのは『フリック入力』です。

フリック入力とは、【あかさたなはまやらわ】で並んでいる文字盤を押すと、周囲にそれぞれの行の文字が浮かび上がり、その方向へ指を動かして入力する方式のこと。

文章で説明すると「何のこっちゃ」となりますが、画像で見れば一目で分かります。


上の画像であれば、「な行」の文字が浮かび上がるため、その方向へ指をスライドすれば目的の文字を入力できるという訳です。

いわゆるガラケー世代では、それぞれの行を何度も押して文字を選択(『トグル入力』)することが主流でしたが、それでは時間が掛かるということでフリック入力が誕生しました。

慣れてしまえば高速で文字を打つことができるため、10代を中心にフリック入力は日本語入力の常識となったのです。

……とは言え、フリック入力にも欠点はあります。

その欠点を補うため、今では『Godan』や『アルテ日本語入力キーボード』といった入力方式も生まれています。

今回のこちらの記事では、少し真面目にスマホの入力方式を考えてみました。

フリック入力の欠点とは?



日本語の入力だけであればフリック入力は非常に便利な入力方式です。

しかし、「ぎゃ」や「じょ」などを入力する時は少し面倒なところがあります。

「ぎゃ」であれば、まず最初に「き」を入力した後に濁音ボタンを押して目的の文字を入力し、その後に「や」を入力して小文字ボタンを押すことで入力が完了します。

ローマ字入力であれば「GYA」の三文字で済むため、この辺りは慣れによって文字打ちの速さに差が出るかもしれません。

また、フリック入力に慣れてしまうことで問題になるのは、ローマ字入力のやり方を忘れる可能性があることです。

「いや、別にローマ字入力なんて必要ないでしょ」と思われるかもしれませんが、フリック入力の文字配列はあくまで日本語の入力に特化したものなので、非常に狭い範囲でしか使うことができません。

これらの問題を解消するため、さまざまな入力方式が生まれつつあります。

Googleが開発した『Godan』



Googleの日本語入力アプリに含まれている『Godan』は、ローマ字入力に特化した文字配列を採用しています。

左手の位置に母音である「AIUEO」を配列することで、右手の子音を入力することにより素早くローマ字入力ができるという画期的な方式。

これなら日本語だけでなく英文字も難なく打つことができるため、汎用性が高い入力方式と言えるかもしれません。

そして、この『Godan』を更に進化させた方式が『アルテ日本語入力キーボード』です。

ローマ字入力をもっとシンプルにした『アルテ日本語入力キーボード』




『Godan』と比較して、『アルテ日本語入力キーボード』は文字盤が4段しかなく、12個の文字でローマ字入力することが可能です。

Godanと同じように両手持ちで入力したり、指で押したままスライドすることで入力することもできるため、非常に便利な入力方式だと思います。

例えば「か」と入力したい時には、「K」を押したまま横の「A」へスライド。

また「しゃ」の場合も、「S」を押したまま横の「Y」、上の「A」へスライドさせることで入力することができます。

文字盤の数も少ないため、位置を覚える煩わしさもなく、ローマ字入力に慣れている人であれば問題なく使いこなせるはずです。

また、『アルテ日本語入力キーボード』の凄いところは、フリック入力に慣れた人に対しても『ターンフリック入力』のキーボードを用意していること。



『ターンフリック入力』は一見すると通常のフリック入力と変わらないと思われがちですが、スライドする方向によって「ぎ」や「ぜ」などの濁音文字を打つことができたり、「ょ」や「っ」といった小文字を選択することも可能です。

今までのフリック入力から進化した方式なので、これからの日本語入力では『ターンフリック入力』も使い勝手の良いツールの一つになるかもしれません。

今のところ『アルテ日本語入力キーボード』はAndroidの環境のみで使用可(iOSであれば『flick』が対応)

アルテはクラウドファンディングでiOSのアプリを開発中とのことなので、いずれはiPhoneでも使えるようになると思います。

『QWERTY』の入力方式は本当に敬遠されているのか?



「若者のキーボード離れ」と言われる今では、パソコンよりもスマホを持つことが多くなったために『QWERTY』の入力方式は敬遠される存在になりました……が、それはあくまで日本だけの話です。

この『QWERTY』は異様なほど歴史が長く、特に海外ではこの配列を覚えておかないとエンジニアとして使い物になりません。

また、ガラケーの時代で主流だった『トグル入力』は、今ではすっかり時代遅れとなってしまったことから、フリック入力もいずれは他の入力方式に地位を奪われる可能性があります。

しかし、『QWERTY』は開発された当初からまったく変わっていない、恐ろしいほど息の長い入力方式です。


「ボタンちっさ!」と思われるかもしれませんが、こちらはアメリカで圧倒的なシャアを獲得した『BlackBerry』の端末です。

つまり、昔からこのボタンの大きさで鍛えられているため、スマホで表示される『QWERTY』でも海外の人はスムーズに打つことができます。(ぶっちゃけ、それ以外の入力方法がない)

……太い指の人でも高速で打てるから驚きですよ😓

スマホにおける『QWERTY』のメリット


●英文やプログラムを書く時は最強
●ローマ字入力も最強
●入力方式では歴史が長く今後も廃れる可能性が極めて低い
●日本以外でも通用する

スマホにおける『QWERTY』のデメリット


●キーの位置を覚えるのが面倒
●ボタンが小さいため打ち間違えが頻繁に起こる
●ローマ字入力のやり方を忘れると致命的

……ほとんどの人は「キーの位置を覚える」という時点で挫折します。

一方で、スマホのフリック入力は慣れ親しんだ「あ行~わ行」の配列なので、『QWERTY』の入力方式は国内で敬遠される運命にあるのでしょう。

こればかりは本人の好みがあるため、一概にどの入力方式が最適かは断言できません。

今後もPCやMacを使用するつもりはないという方は、スマホにインストールされている入力方式を練習すれば良いでしょうし、いずれはディープに市販ソフトを活用したいという方はキーボード(とマウス)に慣れておくことをオススメします😄