2019年7月25日に『2019 OK』と呼ばれる小惑星が地球の近くを通過しました。
小惑星の大きさは直径が57m~130mですが、都市部に衝突すれば甚大な被害は避けられず、しかも接近が確認されたのは7月24日とたった1日前だったので、このことが正式に伝えられた時は大きな話題となりました。
小惑星は地球から7万2,000キロメートルほど離れた距離を通過。
「なんだ、かなり離れてるじゃん」と思われがちですが、この数値は地球と月との距離の約5分の1なので、天文学者の判定では”ニアミス”なのです。
This is the video of the close encounter of Asteroid 2019 OK we have been Twitting all day with the Earth: https://t.co/bjT7uhQJuO pic.twitter.com/3e4UyPcdPl— ASAS-SN (@SuperASASSN) 2019年7月25日
被害がなかったから良かったようなものですが、実際に衝突すれば核以上の威力がありますから、科学者の間ではこれら小惑星を「シティ・キラー(city killer)」と呼ぶほど、その破壊力は災害の中でも群を抜いています。
NASAはこうした小惑星の接近を知らせる設備がありますが、実際にすべての小惑星を把握するのは難しく、世界の天文学コミュニティーでさえ追跡している人はいませんでした。
これだけ情報が共有されている現代において、ちょっとあり得ない事件ではあります。
そして接近が認められたのは1日前ということもあり、衝突を回避するための対応策もないまま、指をくわえて見ているという状態に。
私が小惑星の接近を知ったのは7月27日のことなので、最初は「パニックを避けるために情報公開を遅らせたのかな?」と思いましたが、単に主要機関が気が付かなかっただけのようです😓
1908年には今回の小惑星より小さい隕石がシベリア付近で爆発(ツングースカ大爆発)しましたが、約2,150平方キロメートルにわたり樹木がなぎ倒されました。
爆発があったのは村落のない地域なので、被害者は1人もいなかったという運の良さもありましたが、もし都市部に落ちていればと思うとゾッとします。
今回の件により、接近する小惑星への監視が強化されるかもしれませんが、やはりすべてを把握するのは難しいため、被害が起こってから世界に知らされる可能性も否定できません。
2018年12月18日には、ここ30年で2番目に大きい隕石がベーリング海上空を通過しましたが、この件について知っている人はどれだけいるのでしょうか?
On 18th December 2018 a huge #meteor exploded over the North Pacific: https://t.co/r403SQxicZ— Simon Proud (@simon_sat) March 18, 2019
The Japanese #Himawari satellite caught the meteor smoke trail, which is almost vertical - the meteor entered the atmosphere very steeply! You can also see the trail's long shadow. pic.twitter.com/juAtCHoUI4
「そんなの知らネ」で済む話ですが、この隕石の威力は広島に落ちた原爆の約10倍以上。
こちらの隕石は日本の人工衛星『ひまわり』がとらえましたが、大きな話題になることもなく、そのまま消えてなくなりました。
隕石の直径は10メートルほどなので、今回の小惑星と比較すれば大きさは約13分の1です。
その大きさでさえこの威力ですから、いかに事前に察知することが大切か理解できますね。